七夕/狩心
その恩は一生忘れない
明日は君の誕生日だね
君は自分の本当の誕生日を知らない
だから二人で決めたんだよね
七月七日の七夕を誕生日にしようって
君は言ってた、二人で決めたことが本当だって
私が君に「何か欲しいものある?」と聞くと、
君はいつも「何も要らない」と言って、黙ってしまう
その沈黙の意味を、私は知っている
このままずっと一緒にいよう・・・
誕生日を祝うなんて事は、在り来たりな事だけど、
そこからまた、何かが始まる気がするんだ
明日は二人でささやかに、織姫と彦星の人形劇をしよう
天の川にゆっくりと、橋が架かるのを想像しながら
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