虹色の水溜まり/渡 ひろこ
ブラック・コンテンポラリーのリズムに身を委ね
カモミールの香りが漂う部屋の中
あなたへの想いだけが
ゆるゆると飽和して溶け出していく
手をのばして 重ねて 見つめあう
濃密なアトモスフィア
わたしの 内側から あふれ出る
鮮やかなエモーション
何色の絵の具で描いたらいいのか
幾千もの彩りの感情が
螺旋のように空間に放たれていく
いつのまにか
零れ落ちた感情が
虹色の水溜まりとなり
深い湖へと変わっていく
わたしは
あなたがこっそり逃がした
夢のカケラを探しに
浅い眠りの狭間を
ひそやかに
遊泳する
白い魚影となって
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