ドウナツ/hhhma
 
んびんだ、と思うので、
すばらしいと自分が感じる人の詩を読んでみて、
あーそっかー、こーゆー風に詩って書いたらよかったんか、
って思って、またペンを握るけれどもことば、ことばは続けられない、
何も僕の中には残っていないのであった。

僕のことが好きだ、という人がまよなか、電話をかけてきて、
いま、あなたの好きなドウナツを食べているのよ、なんて言う、
あんなの、ただのデブのもとじゃないか、ていうか、
なんでキサマごときが僕の好物を食べているんだ、
それは高貴な食べ物なのに、神聖な儀式用の、
向こう側へ行くときにしか食べちゃいけないのに、ばーか、
だからお前は人々からばかと呼ばれ、蔑視されているのだ。

この時計も、この指も、このボタンも、この感触も、
全部僕の脳ミソみたいにいつかは腐ってなくなって、
全部一緒になるなら、形のないものも全部なくなって消えるなら、

僕の存在って嘘だ。
嫌悪の一瞬が過ぎ去って、僕はひとり。
息をする音がひとつ。
ドウナツの穴に煙を吹きかけたら。
金色の砂糖が4つこぼれた。


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