きもち/アンテ
 

きもちをつたえようと
ことばをえらぶたび
むねのおくがずきずきいたんで
むねをかきむしるうち
かたいものがゆびにふれた
おもいきってひきぬいてみると
くすりゆびくらいの
てとらぽっとみたいなかたちのほねだった
むなもとにあいたあなから
ひゅーひゅー
くうきがぬけるおとがした

それいらい
きもちをあらわそうとしても
とんちんかんなことばしかでてこなくて
かんじることそのものは
ことばとはむかんけいなはずなのに
じぶんのきもちにじしんがもてなかったり
どこかひとごとだったり
ことばにふりまわされてばかりで
すっかりちょうしがくるって
へこたれてしまった
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