アウト・サイド/まりも
あたしはずっと
小さな森に閉じこもって
鳥の囀りと風の音に守られて
一人で立っていると思い込んでいた
それは今も変わらない
外の世界に心底憧れているのに
進んで外の空気に触れようとはしないで
むしろ小さな森の唯一の姫でいられることに
不満を抱きつつも満足した顔をしている
いや実際、不満なのだ。
外に出たい 暖かい空気に触れてみたい
光が降り注ぐ草原で スカートを翻して
子供のころみたいに遊んでみたい
そんな気持ちを大人ぶって
押さえ込んでこれでいいって
無理やり納得してきた
そんなことを繰り返すうちに
あたしはすっかり臆病になり
森も
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)