アウト・サイド/まりも
 
あたしはずっと
小さな森に閉じこもって
鳥の囀りと風の音に守られて
一人で立っていると思い込んでいた

それは今も変わらない

外の世界に心底憧れているのに
進んで外の空気に触れようとはしないで

むしろ小さな森の唯一の姫でいられることに
不満を抱きつつも満足した顔をしている

いや実際、不満なのだ。

外に出たい 暖かい空気に触れてみたい
光が降り注ぐ草原で スカートを翻して
子供のころみたいに遊んでみたい

そんな気持ちを大人ぶって
押さえ込んでこれでいいって
無理やり納得してきた

そんなことを繰り返すうちに
あたしはすっかり臆病になり
森も
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