創書日和「淡」 秋の夕暮れはなぜ物悲しいのだろう/
逢坂桜
「淡い思い出になればいい」
いつか、自分で自分に向けた言葉
だけど、どうすればいいのかなんて、わからなかった
遠いのか、近いのか
寄せては返す胸騒ぐ音も、
いつしか、つかみどころなく、
輪郭さえも、曖昧になり、
自分の中に、いまもあるのかさえ、
最早、意識することもなく
これが
「淡い思い出」なのか、と、
一人、秋の夕暮れに思いを馳せた、
あの日
[グループ]
戻る
編
削
Point
(6)