/黒牛乳
 
近頃あいつのことばかり思い出します。

あいつの顔

あいつの声

あいつの仕草

あいつの言ってたこと


全く違う二人だったので、

衝突ばかりしていましたが、

わずかに繋がる瞬間がありました。

その瞬間はそれはそれは幸せで

死んでもいいと思いました。

あいつは自由で、不器用で、強情で、気まぐれで、ひねくれていて、

それでいてほんとに純粋で、かわいくて、

うまくいくはずはないと分かっていたけど、

心の底から惚れていました。

心の底から惚れていました。


でももう終わりにしなければなりません。

ありがとうと言えるようにならなければなりません。

こんなみみっちい俺は、

捨てなければなりません。

明日、秋が来たら。

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