雨上がり/
望月 ゆき
ふりかえると きみは
ひどく仏頂面で
左右のほっぺたに
大福をひとつずつ
ぎゅうぎゅうと
おしこんでいた
空にはみかんが浮かび
足元にはコーラの水溜り
シャツには飴玉。
なにもかもがおいしそうで
ひとつのことだけ
考えてなんて
いられなくなった
それだけ
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