気がかり/暗闇れもん
ですが
それは驚くほど綺麗でした
子どもだからでしょうか
彼女がまだ穢れを知らないからでしょうか
でも
罪を犯したわたし、許されるわけなく
ある日
道路わきで車のはねた石にあたりました
ごく簡単に。
薄れ行く意識の中
わたし
ただ
ただ
それだけが気がかりで
巣に持ち帰った
目だけが気がかりで
腐敗するわたしと眼球
果たして
どちらが美しいのでしょうか
もう
わたし、確かめるすべがありません
ですから
最期に見た雲、
どうか
確かめてください
どうか…
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