手紙/
山中 烏流
君の示す黒に
私のこぼした白が溢れて
地図を描いた日を
後悔し続けている
君はあの時
瞬きをするくらい容易く
私の手を離して
階段を登りだしたから、
だから
(君の瞳に
(私は
(映ってますか
君は大人になる
その道のりを辿る時
射し込むであろう光が
私でないと良い
君が大人になる
その最後を見届けたあと
きっと私は
静かに、消えるだろうから
(君の見る夢の中に
(息づいていられるのなら、
(私は
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