その時まで/
小川 葉
植物の哲学が
首を傾げる午後
古い印が刻まれた
かつての貝殻を
家にして暮らす
国のひとたちが
二通りあった
終わりに海の底で
少しずれながら
響いている
静かな鐘の音を
平行線の先で
永遠に待つ
その時まで
戻る
編
削
Point
(1)