雉/ブライアン
 
だ、と聞いたのは高校生位のときだった。その説が正しいかどうかを調べたのだが、何の資料も出ることはなかった。おそらく嘘だったのだろう。
鋭く高い声で叫ぶ人の声を「雉と違うか」と、言ったことから、その言葉は生まれたのだ、と、そのときいわれたのか、その後考えたのか定かではないが、ずっとそう信じていた。
鋭く高く響く雉の声は、「ケンケン」などと形容されているが、それほどかわいらしく感じたことはなかった。自室の部屋で音楽を聞いていると、唐突に響いてくる雉の声。あらゆる隙間、空間を振動させるために鳴かれた、その声は、空に放たれた後も、空間をさまよっている。その声は、人が哀願する言葉を忘れてもなお、哀願しよ
[次のページ]
戻る   Point(0)