「お久しぶりです」/ベンジャミン
 
手紙を書くときの始まりは
どうしてもこうなってしまう

「お久しぶりです」

大変便利な世の中で
携帯やら電子メールやら(「電子」って古臭い)
いろんな意味で距離が縮まって

僕なんて
ポケベルとピッチと携帯を持ってた頃もあったよな
それなのに

「お久しぶりです」

手紙を書くときの始まりは
とりあえずそれまでの空白を埋めようとする

「お久しぶりです」

  (中略)

「僕は元気です」

ああそうだ
僕は自分が元気だってことを伝えたかったんだ
伝えるということは難しい
それが詩であるなら
なおさらだ

「お久しぶりです」

  
[次のページ]
戻る   Point(4)