雪別れ/結城 森士
 
雪のように
北の国から降り
都会の空を卑小だと罵ったり
(氷花は枯れ
また、狭苦しい檻の内側では
しおらしく澄んでいた

     *

閉じられた鳥かごの街にて
虚脱に溺れて座り込み
薄汚れたビルやビルの間に閉じ込められ
・ビルやビルの奥底から
わずかな残空に向かって
遠い夢を見る
倒錯して影を空に落とし
まだ、狭苦しい箱の中で喘いだり
・喘いだり
(呟いたり)
と叫んだり
引き裂かれた金属音を叫び
(喘いだり)
喘いでいた
泣く日はなく

嗤う日
そして語る
(北の故郷に降る
雑念に捉われずに
自分の影を大空に映し出し
/認められるこ
[次のページ]
戻る   Point(1)