航行する自由意志の/雨宮 之人
どうやらまともじゃないみたいで
と、いうことは
まともじゃないやつと
もっとまともじゃないやつで世界はできているんだな
どこにも行けない僕は
ここにいるしかない僕は
でも、閉じ込められていない、そうだろう?
夏が終わって
その日に僕は考えて
だから、出口、開けることにしたんだ
そのくらいはたぶん
憲法でも許されているよね?
基本的人権、その他もろもろのことを僕は考える
それから、いくぞって、心の中で引き金を引く
僕は、僕にしかなれない僕になる
まともじゃない世界の応力で
銃弾がそっちへ向かうのを僕は感じる
戻る 編 削 Point(1)