航行する自由意志の/雨宮 之人
 
見上げた空に出口はないって
マジかよって、冗談じゃねえぞって
僕は思った
じゃあ、僕たちはどこへ行けばいいのか?
そんなことを思った少年時代

どこまで行ける気がした、だけど
どこにも行けやしないよ
青春は、僕にそういったことを教えこんでいった
つまり僕のいるところにしか
この世界は、存在しないってことさ
悪いけど、僕は認識論の話なんてしていない

高く、高くへと
加速していくみたいな空
ジャケットを羽織って
でも僕の背中に、翼は生えない
ねぇ、どこにも出口なんかないよ

ここじゃなければどこでもいいのに
ここでなければどこへも行けない?
だから、僕はどう
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