黒猫ストリート/秋也
君は黒猫が居れば「風景にストーリーが生まれる」という。
だから僕は、白みがかった鯖虎の飼い猫を黒くペンキで偽装することを妄想する。
「馬鹿じゃないの。頭大丈夫。」
「だって黒猫であれば、物語が生まれるんだろ。偽ても何か生まれるか、はたまた似せたら何が生まれるか試さないと。」
「ホントに、呆れるよ。」
「そう、君のその顔がみたくて。すごく可愛いから。」
いつも僕に呆れて
いつだって僕を相手せず
見下したように苦笑する
君が少女のように可愛くて
恐ろしくて
絶対的で
いつだってまた逢いたくなる。
そりゃ飼い猫だって犠牲にしたくなる。
「あんたって、本当に子どもだね。」
こ
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