幽体離脱/狩心
真夜中
道端に倒れていた
アスファルトの上に
うつ伏せになって
力の抜けた体が
石のように冷たく
転がっていた
分からない・・・
その言葉だけが
呪文のように
頭の中を錯綜していた
硬い地面にキスをする
硬い地面に話し掛ける
魂が抜けて
体が白くなる
半透明になる体
小さく震えている
うつ伏せの体を
置き去りにして
もう一つの体が
立ち上がる
ゆらゆらと揺れる
ゆらゆらと揺れながら
歩き始めて
ゆっくりと遠ざかっていく
半透明の体と
道端に転がっている体が
何の言葉も交わさないまま
ゆっくりと
離れていく
半透明の体が
何かを思
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