骨と首の話 その3/hon
 
わてることなく自分のペースで進むと良い」
 と返事があった。
 私は彼を包んだ風呂敷を抱えて道端のベンチに座り、痛みをこらえながら体を休め、道行く自動車の列を眺めていた。
 風呂敷は家から持ってきたものだ。私は祠で彼の話をきいた後、いったん家に帰った。どうやって彼を人から気づかれずに運ぶことができるか、と色々考えたが、ビニール袋やバッグに入れて運ぶのではさすがに何か不遜な気がして、風呂敷で包んで運ぶことを思いついた。しばらく使っていなかったが、私は風呂敷を持っていた。深い紺色の生地にうす緑の細い唐草模様の柄であった。風呂敷でも礼儀にかなっているとは程遠いようだが、それでも他に思いつくあらゆる
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