/エラ
 
しゃらしゃらと鳴いている
陽だまりの延長線上で
目を閉じる
黄色いカーテンの奥のほうに
ふたりの光景が
ゆらゆらと揺れている

きおく
いとおしいきおく
食べたい
食べちゃいたい
おなかいっぱい

風が吹く
風、強いね
そうだね
そうかな

瞬きの瞬間、ちくりとした痛みと共に
一すじの砂が零れて落ちる

いたいなあ
かなしいなあ
おわかれだなあ

泣いてしまう
ごめんなさい

ごめんなさい
すきだよ
忘れないでね
嘘だよ

ほんとうに嘘だよ

目を閉じる
開ける
君がいる
よかった
君がいない
そりゃそうだ
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