おおげさな当たり前。/短角牛
 
ある日電車で向かいになったおじさんが
ちょっとうれしそうな顔して居眠りしてるのみたら
どうしようもなく親に電話したくなって
寂しくないのに涙ぐんで
なんでもないようなあたたかさ 
感じている 身にしみている
世界のどこかで誰かが
僕のことを思っている
そんなおおげさな当たり前
大切に 抱きしめていたい。

ある日カテキョの帰り道
地下鉄降りて ドア閉まる前
「ありがとう!」なんておばさんがおじさんに抱きついて
階段昇って外に出て 風がとても気持ちよくて
ジュースを買った売店で
「ありがとう」とレジで言われたら
なんだか心がうれしくて
アパートまで 耐え切れず笑った
心からでもルーティンでも
誰かの笑顔を作った
そんな大げさな当たり前
大切に 抱きしめていたい。

死ぬほど賭けてた夢が
あと少しのとこで逃げた
だけどもぼくは死んでいない
まだ走れる まだ歩ける
誰かの笑みと僕の涙
その逆もやっぱりあって
そんな大げさな当たり前
大切に 抱きしめていこう。



戻る   Point(2)