日々と手のひら/
木立 悟
触れ得ぬものをひとり残して
瓦礫 青空
消えてゆこうとする街の
あちらこちらに想いはまだ居て
運ばれるかけらを見つめている
曇は雨とともに降り
道は洗われるたびに夜になる
鏡のように静かなうたが
手のひらに満ち あふれこぼれる
向かいあうままに動かない
同じに見えて異なるあなた
映し映され照らし照らされ
土に光の笑みを描(か)く
わずかに揺らぐ波を描(か)く
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