煙/
草野春心
鈴虫が鳴いている
求め合う淋しさの塊
夜闇が僕をそっと押し包む
黄金の月が揺れている
煙のような薄い明日
きりなく君を探し続ける
火の玉じゃない
流れ星じゃない
砂埃じゃない
君のそばに居たいのは
今そばに居たいのは
僕だけだと思う
蜂蜜模様の唄がきこえる
とめどない安らぎと高揚
秋の風が眠りを誘う
夢の切なさに裂かれさまよう
煙のような薄い感覚
それでも止めようも無く……
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