赤い道/シャッターコーン
 
千人の戦士が 
私の靴の下で戦っている
靴底と地面の隙間で
しがない主を護るために

千人の戦士が 
戦い敗れ 斃れ 
最後の一人までが消失した時
私の歩く道が途絶える
前に進めず 戻ることも出来ず
靴を履いた私の足は 途方にくれる

だけど私は 新たな戦士を雇わずに
靴を脱捨てて 裸足になろう
武器も防具も無い 私の足の裏は 
戦士よりも弱く すぐに赤く滲み始める
それでも足の裏は 健気に歩き続ける
主の体重を 一身に支えて

やがて私の後ろに 
赤い道ができるだろう
戦士の屍よりは 良い 

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