蝶の時間花の時間/
西尾
なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
なぜだろう 私が
凍らせた言葉を 知っていて
たやすくそれを 解きほぐしてゆく
なぜだろう 私の
割れたガラスに わざと触れて
切れた指先を見ている
色彩も風も けして優しくはないけれど
冬の孤独が終わるとき
壊れてゆくものと
生まれてくるものと
ただ流れてゆく時間と
そんな季節のことを
息をひそめて数えてみる
あなたの時間と
私の時間と
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