挽歌の夏/アハウ
か細く続く この小道
深い草いきれ
すだきは始めた 虫
見てくれ これは歴史を貫く
細い糸のかがる 小道
静寂で
激動の現象はマーヤ(幻想)に過ぎない
高原のとある小道
草いきれと虫のすだき
歴史を野辺送る 道
雛菊が咲いている
私はあなたと散策を続ける
歴史の大波が
幻想のていをして襲いかかっている
我々は見るだろう
激動の二十世紀
さあ 野辺送り
道端の名もない花を摘んでくれ
香などたむけ
この晩夏に
古い秩序を送ろう
この高原の野辺は
永遠に続く道
細い歴史の糸がかがる
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