シロとクロ/小原あき
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで
二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく
無造作に生えた緑から
シロとクロは
思い出したかのように動きだす
スーパーの袋に入れてきたパンを
二匹に差し出す
シロは鼻を近付けて
クロがいることを確認すると
少し悲しそうに
パンを食べる
クロにもパンを差し出す
決まってクロは
わたしからのパンを食べない
シロが食べおわると
何も言わずに二匹は
公園へ向かう
シロが水を飲むためだ
クロがものを食べたり飲んだりし
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