駅・五所川原/たりぽん(大理 奔)
雪に閉ざされた街と
鉛に封じられた空が
防風林の向こうで
混じりあって、深藍に
レールギャップを鉄輪が踏む音
ポイントを焼く篝火の色
私は泊まる宿も決めず
真っ白な駅前広場で
肩に雪を積もらせている
旅路を続けるための
バスはやってくるだろうか
瞳を閉ざしたりしない瞼
言葉を封じられたペン
防風林の向こうで
吠える野犬のこえ
明日は小泊まで行こう
たどれる道がそこにあり
歩む足がここにあり
阻む風が吹いているなら
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