骨と首の話 その2/hon
 
能だろうかと、私は思案した。
「駅を降りたら、そこからの道順は、私が知っているから、案内する。どうだろう、ひとつ頼まれてくれまいか」
 そう言った彼は、大分疲れている様子だった。私はここに来る前は、自分の自由意志で探究心を満足させるために来たものだという気がしていたが、ここに来て生首の彼と出会ってからは、彼に呼ばれてここへ来たように思えた。実際彼はどうにかして私を呼んだのではないだろうか。なぜ私なのか分からないが。
 いずれにせよ、こうして彼と出会い、助けを求められたのだから、捨ててはおけないだろう。私は覚悟を決めて言った。
「分かりました。あなたを隣りの駅まで連れて行きましょう」
戻る   Point(0)