骨と首の話 その2/hon
旅。そう、私は遥かな昔から旅を続けている。そして、旅は私の在り様と結びつきすぎていて、実際のところ、いったいいつから旅を続けているのやら、その正確な年代は思い起こすことができない。しかし思い出せる限りでも、この国のあらゆる地を巡ってきており、およそ行っていない場所などないのではなかろうか。
どこへ行っても同じことであった。死ぬことのない私の時間は普通の人間の時間とは違うのだから、つまりひとつの所にあまり長くは滞在できないのであった。
人間もまたいつでもどこでも同じだった。そこには冷たい者、疑り深い者、酷薄な者、傲慢で偉ぶった者がおり、一方では篤実な者、親切な者がいた。いにしえの王たち、地
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