ヒ化学反応/木屋 亞万
 
いくら混じりあっても一つにはならない
個体の混合物でしかない
何度振ってもかき回しても同じ
努力でどうこうなる話でもない

いくら純度が高いからって
きっかけ無しで何が始められるって言うの
主体的に動き出す気も無いくせに
お尻に火がつかないと無理なタイプでしょ

でも弾けたい燃え上がりたいよ
後悔するのも忘れるくらい
火花より激しく花火より強く
消えてしまってもいい

求めているのは熱
水と油が弾け飛ぶのも
貝や松ぼっくりがはぜるのも
木の実が熟れるのだって

口元なんか駄目
指の先の熱で炙りだして
半分ずつ結びなおしましょ
数の増えない非生産

生まれてくるのは
半分ずつ伝子を持った
別物で真っ白な個
全然似てないよ多分

燃え上がるときの色はさ
きっと白だと思うんだ
心部の底の液体の色
ずっと純だったから
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