つたう かたち/木立 悟
 
の指が
指以外のかたちにほどけかけ
咽を鎖骨を流れても
流れても流れてもなお指のまま
胸へ下へ 下へ到く
火照りつづける場所へと到く


蛍光の眼が
閉じたまま闇に描く線
短く足りない 音の飛跡
とどめるものは無く
さざめくものは這い
午後から夜への遅い虹
途切れ途切れにつづく虹


空のなかの水音が
遠くに近くに見えつづけ
雨とは別に在りつづける
焼けるような片方を閉じ
水のなかの邪視 門を伝う色
かたちのむこうのかたちから
降りそそぐ音を見つめている












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