恥じ/doon
 
 犬は見ている
 ぼくを、ぼくらを

 石碑は見ている
 制服姿のぼくらを

 死人の目がカッと見開く
 最後の一言を落とすように
 僕らが去り際の背中に向かい
 「見ている!」
 と
 声も表情も、何の訴えもなく

 それは生きている僕らが
 知らなければいけない視線
 悲しい生き方をしていないか
 寂しい生き方をしていないか

 ハッとして振り返る
 僕のつくり上げた道に
 いくつもの斑点が
 散っている
 この斑点の1つを取り上げ
 明治、大正と生きた人達が静かに
 醜いと言って笑い出すのだ

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