十の取り残された意識/プル式
一。
僕はにはかない重さなど無い
そう思うから
語りつくされることも
例えば僕が空に消えても
君は行方を見失ってしまう事も無いだろう
過去にいく事も未来に行く事も
記憶に残る事も忘れられる事も
何もなくただ
唯
消えてしまうのだろう
僕の言葉は届かない
うつろいも記憶も
ニ。
手を開いて何かを掴もうとしてみた
開く間に何かが逃げていった
多分
そういうものだろう
戯言
世界は回り続ける
笑われて落ち着く
照れ笑いでこんにちは
三。
何処までもとがっていく意識の先
いつの間にか夢の世界だった
まるで月を歩くように
幻想
赤
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