誰かが去ったあとを見る/モーヌ。
そんな 綱わたりの 星
ティアドロップが 落ちて いった
あれを 眺めて いるのが 好き だった
そんなこと 遠すぎて 伝わらない 気もち だけれど
誰かを 求める というのでは なく
貧しく 広やかで すきとおった 気もち だった
雨
たくさんの 通りすぎて いった 雨
狐が いたり 猫が ひそんだり している 雨
夏の 雨
そして きょうの 晴れまに 見ている 星たちの 雨
秋霖(しゅうりん)て いうそうだ
きのうまで みたいな 雨は
木の葉に 草の葉に 大地に
こまやかで まにまに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(25)