誰かが去ったあとを見る/モーヌ。
 

そんな 綱わたりの 星

ティアドロップが 落ちて いった

あれを 眺めて いるのが 好き だった

そんなこと 遠すぎて 伝わらない 気もち だけれど

誰かを 求める というのでは なく

貧しく 広やかで すきとおった 気もち だった







たくさんの 通りすぎて いった 雨

狐が いたり 猫が ひそんだり している 雨

夏の 雨

そして きょうの 晴れまに 見ている 星たちの 雨

秋霖(しゅうりん)て いうそうだ

きのうまで みたいな 雨は

木の葉に 草の葉に 大地に

こまやかで まにまに 
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