九月十四日、夜の街灯/白昼夢
付けっぱなしのテレビから
砂嵐が流れてきました
コオロギの鳴き声も
少しずつ増えていきます
私は耳をすませて
色々な音を聞いているうちに
どこか遠くへと
意識を流しました
暗い部屋の中で
テレビから覗く眼が
外の街灯を見ています
コオロギが歩いていると
スズムシと喧嘩になりました
二人とも包丁を持って
お互いに刺し合っていました
私はそれを見ながら
落ちていた包丁を持って
外を歩いていきます
あの二人はどこへ行ってしまったのでしょうか
地面には血溜まりだけが残っていて
姿はどこにもありません
寝ぼけたヒグラシが鳴いている森に着くと
足元にガイコツが落
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