遅れてきた少年の一切合財(その2)/生田 稔
くらい部屋は
同時に至聖所なのかとも思う
天井には心得のために書いておいた十戒の巻紙が
十戒の板さえある
三日が過ぎさつて、その後は電燈をつけた
それから、ドリーム・ベッドにわたしは横になつた
驚くことにイエス・キリストが現れた
天が開けて、上からイエスが下りてこられた
そして、わたしを抱えて天へ上ってゆかれた
「全能の神、エホバの御前であるぞ」と声がした
槍を持った天使が一人いて、大きなエホバ神が座っておられた
「おまえには、神さんもかないません」と王冠をちょいとはずされた
「これはペロペロ舐める鹿じゃ」とも
場面はサッと変わって
一面の雲、イエスが可笑
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