言葉を紡ぐという事/狩心
 
必要な世界を吐き出す為に
必要な世界を選び取る為に
咽喉仏に針を突き立てる
冷やかな笑いと冷やかな汗
そしてすぐに熱を持ち始める
冷静なんかじゃ居られない
ふざけた顔を真剣な顔にして
真剣な顔が焦げ付くほどに燃焼させる
燃える炎の顔
肉は全て焼け落ちて
白く硬い骨組みだけが残る
表情で誤魔化す事はできない
目の視線、言葉で誤魔化す事はできない
人それぞれ違う個性という名の骨格が
今まで歩んできた歴史に基いて
外気の下に晒されるのだ
必要な世界を導き出す為に
風穴は無数に開き
白く硬い骨格の中を
風が縦横無尽に駆け抜ける
骨と風のぶつかりで鳴る音が
少しずつ
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