日が昇る前の、一日の始まり/狩心
 
方の靴を履いて
玄関の扉を開け、外へ出る
今日はそういう日だ
いつも真面目に会社に向かっていた足が
少し不真面目になって
本当の意味で真面目になる
頭は混乱し躊躇しながらも
足は力強く
失ったものの所へと歩を進める
私はいつ死んでもおかしくないのだから
今しかないのだ
そう、その言葉だけを待っていた
今しかないのだ
あなたに
取り戻したいものはあるか
未来に進む前に
遣り残したことはないか
もしそれが取り戻せないものであっても
私は何度もそこへ向かうだろう
そうする事ではじめて、未来に進むことができるからだ
今、一日が始まる

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