マウンテン僕/プテラノドン
 

じっとこっちを見ている
黒板に書かれた文字が小さすぎてよく見えないと彼は言った
これ以上小さく書きようもないけれど僕は適えようとする

慎重にな、と男が助言する
油断すると、チョークは折れてしまいそうだから
代用となる丸太も、近頃ばかにならないのだから
チャイム。緊張の糸がぷつんと切れる

休憩時間。監督はあらたな煙草に火をつけ
ラジオから聞こえる、秋の森のための
ささやかな音楽に耳を澄ましている
それから思い立ったように

電話帳をぺらぺらとめくりはじめる
何をさがしていたか大体見当がつくけれど
ここからじゃ文字が小さすぎて
よく見えないな
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