季節ポケット/快晴
目的を持つように見える人々の間を
さも目的があるような顔で私も歩く
ミュージシャンとは付き合うなと言う私に
詩人とは付き合うなと笑いながら君
そんなごもっともな意見を思い出しながら
詩なんて書くのは金輪際もうやめだと
路上に転がる錆びた10円玉に誓う
早送りされるように過ぎ去った夏の背中に
巻き戻しきらない秋は未だ追い付かず
不意に出来た季節ポケットに落ちぬよう
用心して歩けよと返信は期待せずメールする
愛は見返りを求めた瞬間に終わる
何も期待しないことに期待する
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