花のなまえ/
月下美人
追いかけるのはいつかの夢
揺蕩(たゆた)うのは幸福だったころの記憶
抱きしめるのはあのひとの気配
口づけるのは囁かれた愛のことば
燦燦たる陽のしたで赤く爛れるのは向日葵の花
瞬きの合間に眼に映るものは虚無のなかにある渇仰
私を支えるものは
愛というなのいっぽんの萼
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