東京/草野春心
東京は寂しい街ねと あなたは笑う
その横で繰り返し相槌を打つ 機械が僕
(ここは陸橋の下の小さな公園で)
(ふたりだけで)
遠い日の忘れ物に あなたは愛おしそうに指をすべらす
今この瞬間の重大さすら 僕は測りかねている
(過去も今も未来も……ビル風に砕かれ)
(気づかないうちに……アスファルトの一部になる)
あなたが目を閉じると そこから居なくなるのでしょう
僕は変わらずここに居る あらゆる距離を一度に天秤にかけて
{引用=(誰も逃げおおせることは出来ない……都市から)
(そこに潜む圧倒的多数の悪
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