ぬるい祈り/灯兎
悪魔さえも棄てた地を目指しては歩く 一つ目の兎
月の代わりに道化師の髑髏を抱え 赤茶けた朽木を踏みつける
こうも詭弁に塗れた世界では 死に追いつかれないだけでも
目の奥が燃える
サーカス場の道化師は 泣化粧を嬌声に溶かして 眠りに落ちていたのだろう
いや 死に追いつこうとしているのは自分ではないのか
こうも欺瞞に塗れた世界では 我を捨てないだけでも
耳が腐り落ちる
動物園のウサギ達は 今頃詭弁を欺瞞をついばんで 生きているのだろう
いや より死に近づいているのは彼らではないのか
毒地に足を踏み入れる度に 夢のかけらをすすっては生き延びている
大きな声が降ら
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