命と6g/rabbitfighter
 
ひとつの手記がある。
戦時中、理性を失った科学者がある実験を行った。
はじめに彼が用意したのは巨大な体重計だった。
その体重計の外観はベッドのようで、大人一人が楽々横になれる大きさがあった。
ベットと違うのは体を拘束するための皮ひもをくくりつけるための金物が
左右に四つずつ取り付けられ、それらは人の肩、腹、腰、膝を押さえつけることが出来た。
後にその金物はそれぞれの側に三つずつ増やされた。
さまざまな身長の人間に対応するために。
実験器具の製造には現地の人間が徴用された。
大工をしていたという男が作ったそれは申し分の無いものだったらしい。
実験の手順は単純で、以下の通り。

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