夢で。/
三条
ン、旨かった。
ねぇ、また買って来てよ。
ちょっとお洒落なプラスティックの容器が、二つ。
それに似合わない、下品なプラスティックのスプーンも、二つ。
犬みたいなわたしの愛しいのが一人。
それをみてるわたしが一人。
甘苦いカラメルの後味と、やわらかいこの体温が与えてくれるものは、
あまりに大きくて、当たり前で、恐怖だ。
ぎゅっと抱きしめる。
頼むようにくたびれたシャツを握り締める。
まだあたたかい。
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