あ、/K
滲んで溶けて 輪郭からはみ出した信号機の青
が
赤を促す
際
だった筈の際は
もうどこにもなく
四肢を折られた傘が転がっている
刹那 が
辞書の中で絞め殺されていく
ページを開くその隙間に逃げようと
いつもいつも
もがいてる
雨
アルコール臭のする席に雨はいない
どんよりと曇る空に雨はいない
ただその振動と インクと木炭で刻まれた 雨 だけが
その存在を知っている
ドアは四方にある
けれど鍵などどこにもない
鍵穴が必要なのは
理屈が必要な私達だけなのだから
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