ZUZUさん『鳥人間コンテスト』を読む/楢山孝介
 
 おれだ
 飛んでるだろ
 おれだおれは飛んでるんだいま
 都立大学でいっしょうんめいペダルをこいでいるのだよ
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 とうとうHはペダルをこぎ始めてしまった。僕はまだ書きたいことの十分の一も書けていない気がする。詩を連ごとにぶつ切りにして貼りつけるなんてこんなやり方は失礼じゃないか、なんて気に病みながら、自分で貼りつけた文章に読み耽っている。
「鳥人間コンテスト」のCMが流れるようになってからこの詩を思い出したわけではない。現代詩フォーラム内で発表されている、いくつかの大好きな詩の中で、一番に浮かんでくるのがいつもこの詩だった。青臭いところもある、表記の怪しいところもある、全体的にやや
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