目覚め、あさ/山中 烏流
 

少し、残念に思った
 
 
ミルクコーヒーを啜る
人肌まで冷めたそれは、
緩やかに私を下って
とけようと目を瞑りながら
 
小さな海を
作りあげたのちに
ゆっくりと、沈んでいった
 
 
一昨日のこと
広告の裏に描いた空は
いまはもう
私の目に青を映して
ただ、浮かんでいる
 
あのカナリアの色だ、と
言いかけてやめた
広告の裏に見た空で
私は、
溺死などできないのだから。
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