忘れたくないから/
たりぽん(大理 奔)
届かない、ところへ
ささやく
あきらめではなく
染め抜くように
静かに
いちばん遠い胸の奥で
月夜をおぼえているかい?
欠けた鏡のまぶしさではなく
影の地平から昇った
青白き三等星を
届かないから
胸の痛みの奥で
繰り返す
忘れてしまえば終わる
それが
あなたとの
誰にも気取られずに
永遠に刻みつける
烙、私だけの
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